北海道政経懇話会

ピックアップ抄録

2017年(平成29年)

■8月例会
8月1日 札幌グランドホテル
講師:葛西紀明氏(ノルディックスキージャンプ選手)
演題:「夢は努力でかなえる」


  北海道政経懇話会の8月例会が1日、札幌市内のホテルで開かれ、2014年ソチ冬季五輪のノルディックスキージャンプで銀メダルを獲得した葛西紀明氏=土屋ホーム=が講演した。挫折を乗り越えてメダルをつかんだ競技人生を振り返り、「努力し、信じる。そうすれば夢はかなう。次は(来年2月の)平昌(ピョンチャン)五輪で金メダルをとることが一番の目標」と語った。
  葛西氏は1989年、東海大四高(現東海大札幌高)1年で、日本人史上最年少で世界選手権に初出場。好成績を出せず、「打ちのめされた。そこから死にものぐるいで練習した」と語り、その後の成長につなげた経験を振り返った。
  98年長野五輪では金メダルを獲得した団体メンバーから外れ、「国民は喜んだが、僕は喜んでいなかった。競技人生で一番悔しい思いをした。でも長野の悔しさがあったから、今も現役を続けられている」と強調した。97年に亡くなった最愛の母から生前もらった手紙を読み上げる場面もあり、「手紙をパワーに変えてきた」としみじみ語った。

=2017/8/2北海道新聞=

■6月例会
6月13日 札幌ビューホテル大通公園
講師:岩井卓也氏(仙台国際空港社長)
演題:「地域と連携した仙台空港の発展について」


  北海道政経懇話会の6月例会が13日、札幌市内のホテルで開かれ、昨年7月に民営化された仙台空港を運営する「仙台国際空港」の岩井卓也社長が講演した。2020年を目標とする道内空港の民営化について「インバウンド(訪日外国人客)の促進なのか、行政負担の軽減なのか、地元が主目的を一つに絞ることが重要だ」と成功の秘訣を語った。
  仙台国際空港は、仙台空港の運営権を落札した東急電鉄など7社が15年に設立。東急出身の岩井氏は、村井嘉浩宮城県知事が民営化から30年後の年間乗降客数を約2倍の600万人に増やすなどの目標を打ち出したことを受け、「精いっぱい旅客数を増やす提案をした」と強調。その上で「国の網羅的な募集要項ではわからなかった民営化のポイントを、知事が言ってくれた」と述べ、地元が民営化の目的を明示する重要性を語った。
  道内7空港(新千歳、函館、釧路、稚内、女満別、旭川、帯広)の一括民営化に関しては「この地域が(民営化を通じて)一番欲しいものを議論した上で、募集要項に書き込んでもらった方がいい」と指摘。一方で「従業員の雇用確保や施設の管理水準の維持など、変えてはいけない条件を特定することも必要だ」とも述べた。

=2017/6/14北海道新聞=

■5月例会
5月30日 札幌パークホテル
講師:小田部雄次氏(静岡福祉大教授)
演題:「『お言葉』の意味とこれからの皇室」


  北海道政経懇話会の5月例会が30日、札幌市内で開かれ、皇室に詳しい静岡福祉大の小田部雄次教授(日本近現代史)が「『お言葉』の意味とこれからの皇室」と題して講演した。政府が今国会で成立を目指す天皇陛下の退位を一代限りで認める特例法案について、「陛下は一代限りではなく(恒久的に)退位を認めてほしいというのが本音だろう」と述べた。
  昭和天皇ら皇族に関する著書を多数残している小田部教授は皇室の公務の役割を高く評価し、「皇室外交や国内の被災地訪問など天皇の公務が日本社会を安定させてきたことが、退位に関しても国民の理解を得られた理由」と話した。
  一方で、退位に反対する保守層への配慮もあり、皇室典範の特例として、一代限りとする法案が着地点になったと指摘。皇室制度の根幹となる皇室典範を改正しないことについて、「陛下が高齢となり、男性皇族が減少する中、今後の皇室のあり方を考えていくなら改正が必要。憲法を改正しようとする内閣が皇室典範一つ変えられないというのはおかしい」と述べた。

=2017/5/31北海道新聞=

■4月例会
4月6日 プレミアホテル中島公園札幌
講師:井上慎一氏(ピーチ・アビエーションCEO)
演題:「空飛ぶ電車 Peachの挑戦」


  北海道政経懇話会の4月例会が6日、札幌市内で開かれ、格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションの井上慎一最高経営責任者(CEO)が「空飛ぶ電車 Peachの挑戦」と題して講演した。井上氏は、2018年度に新千歳空港を、夜間に機体を駐機させる拠点空港とすることに触れ、「自治体や空港会社、交通会社と4者一体で観光促進に協力したい」と述べた。
  ピーチは新千歳と道内空港を結ぶ新路線を就航させる方針。井上氏は「北海道の潜在力はまだある。道東、道北は手薄だが、アクセスを向上することで訪問者数は増大する」と述べ、道東などを視野に入れていることを示した。
  井上氏は、5年前に日本初のLCCとして就航後、本拠地の関空の利用者数が約1.7倍に増えたことなどを指摘し、「ピーチは潜在需要を開拓する。来日した外国人らが消費し、交通機関に乗り、ホテルも埋まる。関西は活気づいた」と成果を強調。道内7空港の運営を一括で民間に委託する空港民営化を追い風に「関西モデルを北海道でも実現したい」と訴えた。
  運賃の安さから、関西では、韓国の日帰り旅行が一般的となり、単身赴任先から札幌の自宅に週末ごとに帰る利用客がいることを例に挙げ、井上氏は「想像もしなかった利用が広がっている」と話した。

=2017/4/7北海道新聞=

■3月例会
3月7日 京王プラザホテル札幌
講師:ベルナール・デルマス氏(ミシュランフランス本社上席副社長)
演題:「ミシュランとミシュランガイド」


  北海道政経懇話会が7日、札幌市中央区のホテルで開かれ、ミシュランフランス本社上席副社長のベルナール・デルマス氏が「ミシュランとミシュランガイド」と題して講演した。デルマス氏は「北海道は観光の都。今後はさらに知名度が上がるはず」などと、北海道の魅力や可能性を語った。
  同社はレストランやホテルを星の数で格付けする世界的なガイド本「ミシュランガイド」を手がける。講演では、飲食店を評価する際に「素材の質」「独創性」「費用対効果」など五つの基準があることなどを紹介。今年は5年ぶりとなる北海道版を発刊予定で、「北海道は海の幸も山の幸もあって観光に強い。いろいろなお店が出てくるはず」と話した。
  また、デルマス氏は外国人旅行客が年々増加している現状を踏まえ、「北海道は食に加えて歴史や自然を楽しめるスポットもある。まとめて発信すればさらに観光地として成功する可能性があるので応援したい」と話していた。

=2017/3/8北海道新聞=

■2月例会
2月14日 札幌パークホテル
講師:石井至氏(明日の日本を支える観光ビジョン構想会議委員)
演題:「日本のインバウンド観光施策と北海道の役割」


  北海道政経懇話会の2月例会が14日、札幌市内で開かれ、政府の「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」委員を務める石井至氏が講演した。石井氏は「外国人観光客にはお国柄があり、タイ人とマレーシア人では好みは違う」と述べ、国ごとに異なるプロモーションをする必要性を訴えた。
  石井氏は「これを見てほしいと思っても、外国人観光客にまったく興味を持たれないことは多々ある。何が好きかは、その国の人に聞いてみなければ分からない」と指摘。その上で、外国人観光客を増やす手段として、ターゲットにする国の旅行業者や出版関係者を招くツアーを実施し、参加者からの意見や要望を十分に反映させた戦略を立てることなどを提案した。道内の課題としては「今までに行ってないような場所、ルートを提示し、10回来ても飽きないようにしなければならない」との考えも示した。

=2017/2/15北海道新聞=

■1月例会
1月30日 札幌グランドホテル
講師:八角信芳氏(日本相撲協会理事長)
演題:「私の相撲人生」


  北海道政経懇話会の1月例会が30日、札幌市内のホテルで開かれた。日本相撲協会理事長で元横綱北勝海の八角(本名・保志)信芳さんが「私の相撲人生」と題して講演。「再び北海道から横綱を出したい」と相撲王国復活にかける思いを語った。
  1987年から横綱として活躍し、92年に引退。現在は八角親方として若手力士育成に尽力している。角界の発展には、減少傾向にある新弟子の確保が重要と話し「昔のように『ただ強くなれ』と言うのではなく、一人の力士の将来を考えたサポートづくりが大切だ」と相撲界全体で課題解決へ向けて取り組む考えを示した。
  また、横綱時代に重圧を感じてきたという自身の経験を踏まえ、第72代横綱に昇進した稀勢の里関=本名萩原寛、茨城県出身、田子ノ浦部屋=に「横綱には常に優勝争いが求められる。早く優勝し、そのプレッシャーをはねのけてほしい」とエールを送った。

=2017/1/31北海道新聞=

2016年(平成28年)

■11月例会
11月30日 札幌東急REIホテル
講師:山崎貴氏(映画監督)
演題:「映画監督業と最新作『海賊とよばれた男』」


  北海道政経懇話会の11月例会が30日、札幌市内のホテルで開かれた。映画監督の山崎貴氏が「映画監督業と最新作『海賊とよばれた男』」と題し講演。「映画づくりの現場をまとめるには『この監督の言うことを聞いていれば、良い映画ができる』という信用が不可欠」と映画への熱い思いを話した。
  長野県出身で、2000年にSF映画「ジュブナイル」で監督デビュー。05年の「ALWAYS 三丁目の夕日」は日本アカデミー賞12部門で最優秀賞を獲得するなど、多くの話題作を手がけてきた。「作品の幅は広いが、共通して描いてきたのは、諦めない人の姿」と強調。「独善的にならないよう、常に周囲から『突っ込まれること』を重視している」と話した。
  10日に百田尚樹さん原作の最新作「海賊とよばれた男」が公開される。主人公は出光興産創業者の故出光佐三氏がモデルだ。冬の旧満州(現中国東北地方)の場面は、十勝で撮影した雪をVFX(視覚効果)で加工したそう。「主人公はピンチでも、起死回生のアイデアを出す『企画の人』。一番大事なものは人材という考え方は、現在も参考になるのでは」と提言した。

=2016/12/1北海道新聞=

■10月例会
10月6日 東京ドームホテル札幌
講師:荒井秀樹氏(パラノルディックスキー日本代表監督)
演題:「パラリンピックの最前線、金メダルへの道」


  北海道政経懇話会の10月例会が6日、札幌市内のホテルで開かれた。障害のある選手によるパラノルディックスキー日本代表監督の荒井秀樹氏が講演し、来年3月に札幌で開かれるワールドカップ(W杯)を通して障害者スポーツへの関心を高めることの大切さを訴えた。
  演題は「パラリンピックの最前線、金メダルへの道」。荒井氏は「札幌冬季五輪・パラリンピック招致には、障害者スポーツを多くの市民に見てもらい賛同を得ることが欠かせない」と札幌W杯の意義を強調。また「金メダル獲得には10年以上が必要」とトップ選手育成の難しさを指摘した。
  さらに「平昌や北京でのパラリンピック前に札幌でのトレーニングを望む選手は多い。近いうちに車いす旅行者も増えるはず。それに備えて交通機関を利用しやすくするなどの対応をとることは、高齢者にもやさしい社会づくりにつながる」と訴えた。

=2016/10/7北海道新聞=

■9月例会
9月27日 JRタワーホテル日航札幌
講師:大﨑洋氏(吉本興業代表取締役社長)
演題:「転がり続ける笑い」


  北海道政経懇話会の9月例会が27日、札幌市内のホテルで開かれた。吉本興業(大阪市)の大崎洋社長が「転がり続ける笑い」と題して講演。「北の大地で笑顔があふれるよう頑張りたい」と話し、北海道を切り口にした事業展開に意欲を燃やした。
  2009年の社長就任後、地域重視の姿勢を打ち出し、47都道府県に芸人を住まわせるなど、お笑いによる地域活性化を目指している。
  道内では今年、道が制定した「道民笑いの日」の8月8日に合わせ、お笑いライブなど多数のイベントを開催。この中で実施した、主婦が推薦した北海道の特産品を試食するイベントを発展させ、好評だった特産品のインターネット通販を今秋にも始めることを明らかにした。
  人気お笑いコンビ「ダウンタウン」の育ての親としても知られる大崎氏は「人も組織も時代の空気を吸収しないと生き残れない」と指摘。「時代とともにお笑いは質を変え、みんなを幸せにするものになった。心と心を笑顔でつなぐインフラになれれば」と語った。

=2016/9/28北海道新聞=

■8月例会
8月8日 札幌グランドホテル
講師:羽生善治氏(棋士)
演題:「決断力を磨く」


  北海道政経懇話会の8月例会が8日、札幌市内のホテルで開かれ、将棋棋士の羽生善治さんが「決断力を磨く」と題し講演した。
  羽生さんは1996年に史上初の7冠独占を達成するなど将棋界の第一人者で、現在も王位、王座、棋聖の3タイトルを保持。9日からは旭川で第57期王位戦7番勝負第3局に臨む。
  講演で「よく『何手くらい先まで読むの』と聞かれますが、実はあまり数えておらず、必ずしも先を読んでいるわけではない。まず直感で2、3手に絞り、流れを総括する大局観を使って方針を決める」と対局中の決断法を紹介した。
  また、記憶法について「早送りすると1分で1局を見ることができる便利なデータベースもあるが、簡単に忘れてしまう。5年後、10年後も記憶させたいと思ったら、ノートに書いたり、盤に駒を並べたり、誰かに話すようにしている」と五感を働かせることの重要性を強調した。
  近年、コンピューターの対局ソフトが実力を付けているが、「40年、50年後に棋士という職業があるのか心配はあるが、私としては(人間同士の)王位戦などに注目してほしいと思っています」と述べた。

=2016/8/9北海道新聞=

■7月例会
7月22日 京王プラザホテル札幌
講師:松原仁氏(公立はこだて未来大教授)
演題:「人工知能は世の中をどう変えるか」


  北海道政経懇話会の7月例会が22日、札幌市内のホテルで開かれた。人工知能(AI)に詳しい公立はこだて未来大の松原仁教授が「人工知能は世の中をどう変えるか」と題して講演した。
  松原教授は、急速に開発が進む自動車の自動運転技術について「運転技術だけ取り出すと、すでに人間の標準の人よりうまいレベルにきている」と説明した。
  AIが人間の能力を超える技術的特異点(シンギュラリティ)と呼ばれる時期に関して「専門家によっても見方は違うが、2045年に来るのではないかと言われている」と指摘した。それ以降、AIは勝手に自習を進めて、さらに能力を高めていくという。
  この特異点でのAIと人間の関係については「今まで(AIは人間の)子分だったのが、向こうの方が偉くなったような気分になる。しょせんは人間の道具だが、ちょっと競っているときには喜ぶべき心境になれない。そこをうまくスルーすれば、また上手に付き合えると思う。われわれ人間が広い心になって受け入れるということなのだと思う」と述べた。

=2016/7/23北海道新聞=

■6月例会
6月30日 札幌プリンスホテル
講師:岩渕健輔氏(日本ラグビーフットボール協会理事・日本代表GM)
演題:「Japan Way ― 変えることが難しいことを変える」


  北海道政経懇話会の6月例会が30日、札幌市内のホテルで開かれた。日本ラグビー協会理事で、日本代表ゼネラルマネジャー(GM)の岩渕健輔氏が昨年のワールドカップ(W杯)で日本が強豪の南アフリカから歴史的勝利を挙げた背景について話した。
  2012年にGMに就任した岩渕氏は、札幌ドームも会場になっている19年W杯日本大会で「最低でもベスト4」との目標を掲げた。「目標が高すぎるという自分の心のリミッター(制限)を取り払った」と説明。
  そのステップにするために昨年のW杯で強豪から勝利する必要があり、「世界一過酷な練習をして周到な準備をして試合に臨んだ」。その結果に甘んじることなく「(20年東京五輪も含めた)今後5年間の強化が日本ラグビーのその後の50年を決める」と日本代表の強化をさらに進めると話した。

=2016/7/1北海道新聞=

■5月例会
5月31日 プレミアホテル中島公園札幌
講師:柯隆氏(富士通総研主席研究員)
演題:「2016年の中国経済の行方―成長と改革のハザマ」


  北海道政経懇話会の5月例会が31日、札幌市内のホテルで開かれた。富士通総研主席研究員の柯隆氏が「2016年の中国経済の行方―成長と改革のハザマ」と題して講演し、当面の中国経済について、成長率が横ばいか、やや下がっていくとの見通しを示した。
  柯氏は中国経済の現状について、石油、鉄鋼、自動車などの国有企業が抱える過剰設備、開発投資を進めた地方政府の過剰債務、産業構造転換に伴う過剰労働力の「三つの過剰」が足かせになっていると解説。特に国内総生産(GDP)の5割以上を占める国有企業について「政府は再編して競争力をつけようとしているが、規模が大きくなるだけで長期的にはものすごく効率が悪くなる」と、先行きを不安視した。
  また、中国は経済規模で世界第2の大国となったが、独自の技術革新が遅れ、ブランド力を確立できていないと指摘。日本が技術革新によって生産性を上げて石油危機を乗り切り、ブランド力を確立したように、中国経済が持続的に発展できるかどうかは、技術革新を進められるかが鍵だとする見方を示した。

=2016/6/1北海道新聞=

■4月例会
4月19日 東京ドームホテル札幌
講師:佐々木典夫氏(四季株式会社代表取締役会長)
演題:「北海道の劇団四季」


  北海道政経懇話会の4月例会が19日、札幌市内のホテルで開かれた。劇団四季を運営する四季株式会社の佐々木典夫代表取締役会長が講演し、「応援してくれる人たちのおかげで、今の四季がある」と語った。
  劇団四季は1953年、浅利慶太氏を中心に学生劇団として発足。現在は、札幌の北海道四季劇場を含め、全国に8つの専用劇場を持ち、海外やオリジナルの演劇を上演している。
  佐々木氏は、劇団の歴史や公演を通じた人脈づくりなどを紹介。83年の「キャッツ」東京初演を振り返り、「日本の劇場は長期間借りることが難しく、自分たちで施設を造った。ロングランの成功で、こんなにミュージカルを見たい人がいるんだと驚いた」と話した。同作は札幌でも3度ロングランしており、「『キャッツ』は観客をつくるのと同時に、上演地に文化施設を造るきっかけになった」と語った。
  5月3日に北海道四季劇場で開幕する「ウィキッド」について、「差別など苦境を乗り越え、自分の人生は自分で決めるというメッセージが込められている」とPRした。

=2016/4/20北海道新聞=

■3月例会
3月8日 札幌パークホテル
講師:内藤正典氏(同志社大大学院教授)
演題:「中東崩壊の危機-シリア内戦・難民問題・『イスラム国』」


  北海道政経懇話会の3月例会が8日、札幌市内のホテルで開かれた。中東情勢に詳しい同志社大の内藤正典教授が講演し、内戦が泥沼化するシリアと、同国から大量の難民が命がけで欧州を目指す現状について「21世紀最悪の人道危機が起きている」と語った。
  内藤教授は人口2300万人のシリアで約1200万人の難民や国内避難民が発生したと解説。「過激派組織『イスラム国』(IS)のせいだと日本政府は言うが間違い。大半の難民は2014年のイスラム国誕生よりも前に始まったシリア内戦で、アサド政権が無差別に国民を攻撃したことで生まれた」と強調した。
  さらに現在、同政権を支援するロシアがあらゆる反政府勢力を狙い空爆していると指摘。「内戦や難民問題の最大の責任はアサド政権とロシア軍にある。無数の反政府勢力やISも絡み、収束の落としどころが全く見えない」と述べた。
  昨年、難民が欧州に大量流入し、ドイツが受け入れを表明した理由について、同国がユダヤ人迫害の反省から難民を庇護(ひご)する責任を基本法に明記していることなどを挙げた。「ただシリア内戦が終わらないと難民流入は続く。ドイツの英断はいずれ批判され、欧州連合(EU)のあつれきは深刻になる」と予測した。

=2016/3/9北海道新聞=

   

■2月例会
2月17日 京王プラザホテル札幌
講師:伊藤博之氏(クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役)
演題:「当社の取り組み~雪ミクから北海道民倍増計画まで」


  北海道政経懇話会の2月例会が17日、札幌市内のホテルで開かれた。「初音ミク」で知られるIT企業クリプトン・フューチャー・メディア(札幌)社長の伊藤博之氏が講演し、「インターネットを活用すれば道内にいながら世界の人々と接点ができる」と語った。
  初音ミクは、歌詞とメロディーを入力すると同名のキャラクターに歌わせることができる音楽制作ソフトで、同社が2007年に開発した。
  伊藤氏は講演で、国内外の人が初音ミクが歌う動画や画像を制作し、ネットで公開することが広がっていると説明し「ネットを通じて多くの人が才能を発揮できるようになった。作り手の間で創作の連鎖が起きている」と語った。
  また、道民と、北海道に関心を持つ道外の人を会員制交流サイト(SNS)でつなぐ事業計画も披露した。SNSを通じて観光やビジネスの情報を継続的に送ることで道内への観光や出資を促せるとし「道内の人口は減るが、観光客など交流人口は増えている。地域ぐるみで道外の北海道ファンをつなぎ留めることが重要だ」と力を込めた。

=2016/2/18北海道新聞=

■1月例会
1月12日 札幌グランドホテル
講師:折茂武彦氏(レバンガ北海道 代表兼選手)
演題:「わがバスケットボール人生」


  北海道政経懇話会の1月例会が12日、札幌市内のホテルで開かれた。プロバスケットボール・レバンガ北海道の運営会社代表兼選手の折茂武彦氏が 「わがバスケットボール人生」と題して講演し、「貯金を全て使ってチームを残したのは、後悔していない」と語った。
  前身のレラカムイ北海道の運営会社が経営破綻した後、折茂氏は2011年に新たなチームの運営母体となる一般社団法人を設立するなど、チーム存 続に奔走。「蓄えた貯金を使い果たし車も売った。多額の借金も抱えた」と明かした。
  それでも、チームを守り続けたのは「負け続けても応援してくれる人のため」と道内ファンの温かさに言及。45歳となり「選手としては下り坂だ が、北海道に来て人間的にはとても成長させてもらっている」と感謝を口にし、「このチームがある限り、北海道に居続ける」と宣言した。
  現在リーグ6位のチームに触れ、「資金力のある企業チームの壁は厚いが、その隙を突いて勝っていきたい」と力を込めた。

=2016/1/13北海道新聞=

2015年(平成27年)

■12月例会
12月3日 札幌プリンスホテル
講師:小林英嗣氏(北大名誉教授、都市・地域共創研究所代表理事)
演題:「グローバル都市SAPPORO-都心の進化のシナリオ-」


  北海道政経懇話会の12月例会が3日、札幌市内のホテルで開かれた。北大名誉教授で、都市・地域共創研究所(札幌市)の小林英嗣代表理事が講演 し、今後の札幌の都心のまちづくりについて「行政と民間で地域戦略の協議会をつくり、人や投資を呼び込む成熟都市に進化させるべきだ」と述べた。
  小林氏は札幌市のまちづくり計画を数多く手掛け、現在は札幌市都心まちづくり特別顧問も務める。講演では「札幌のライバルである福岡市は官民学 で福岡地域戦略推進協議会を設立し、観光客や『MICE(マイス)』(大規模な国際会議など)の誘致、中小企業振興などで実績を挙げている」と話 し、札幌でも同様の組織をつくるよう提言した。
  具体的な札幌の都心のあり方に関しては「大通公園をMICEの誘致戦略を支える軸につくり変えるため、新たな交通体系を検討する必要がある」と 強調。「新千歳空港や苫小牧港、洞爺湖などを含む札幌広域圏として国際的な価値を高めていくことも重要だ」とも語った。

=2015/12/4北海道新聞=

■11月例会
11月19日 札幌パークホテル
講師:藤井 敏嗣氏(東大名誉教授・火山噴火予知連絡会会長)
演題:「日本の火山活動の現状と今後」


  北海道政経懇話会の11月例会が19日、札幌市内のホテルで開かれた。火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長が講演し、「日本は火山噴火の災害から 逃れられない宿命にある」と述べ、火山の観測体制の強化や火山防災の重要性を訴えた。
  藤井会長によると、昨年9月に起きた御嶽山の噴火を含め、国内では近年、継続的に年3~8回の噴火が起きている。日本列島の火山活動が最近に なって特に活発化したというわけではないという。だが、富士山の大噴火などが相次いだ9世紀は、東日本大震災と同規模の東北沖地震が起きた「大地 動乱の時代」と言われ、現在はそれと似た状況だと指摘した。
  富士山で大規模な噴火が起きた場合、火山灰の影響で首都圏の流通経済が破綻し、停電などが起きるといい「地震は発生直後から復興が始まるが、火 山は数年がかりで活動を続けることがある。日本には火山を一元的に監視、研究する機関がない。火山災害からどのように日本を守るのか、考えなけれ ばならない」と訴えた。

=2015/11/20北海道新聞=

■10月例会
10月6日 東京ドームホテル札幌
講師:田﨑史郎氏(時事通信社特別解説委員)
演題:「日本は良くなるか-安倍政権の政治と経済」


  北海道政経懇話会の10月例会が6日、札幌市内のホテルで開かれた。時事通信社特別解説委員の田﨑史郎氏が講演し、今後の政治情勢について「軽減 税率を導入すれば中小零細企業の負担が増える。公約で訴えた公明党は苦しむだろう。連立にひびが入るとしたらこの問題だ」と語った。
  安倍晋三首相の強みについては「好き嫌いで見るのではなく、誰がふさわしいか考えて人事をやっている」と指摘。
  その上で「過去の名官房長官は首相を尊敬しなかったが、安倍氏と菅義偉官房長官は一体となり敬意を払いながら政権を運営している」と強調した。
  ポスト安倍をめぐっては石破茂地方創生担当相、岸田文雄外相、稲田朋美自民党政調会長を挙げた。環太平洋連携協定(TPP)に関しては「域内での分業が進む。牛肉のブランド化など努力がなければ農業衰退は避けられない」との見方を示した。

=2015/10/7北海道新聞=

■9月例会
9月24日 札幌東急REIホテル
講師:石井哲也氏(北大安全衛生本部教授)
演題:「植物、動物、ヒトをデザインするゲノム編集を考える」


  北海道政経懇話会の9月例会が24日、札幌市内のホテルで開かれた。生命科学研究の安全管理を担う北大安全衛生本部の石井哲也教授が講演し、遺伝子を目的に応じて改変する技術「ゲノム編集」について「社会的議論を進める必要がある」と強調した。
  ゲノム編集は遺伝子の特定部分のみを壊したり、書き換えたりして、新しい性質の動植物を生み出す技術。遺伝子組み換えのように別の生物由来の遺伝子を埋め込む必要がなく、成功率も格段に高いなど革新的な技術とされ、各国で農業や医療への応用研究が進む。石井氏は肉付きの良いブタの開発などを例に説明し「社会に有益をもたらそうとの理念には賛同する」と話した。
  一方で、生殖医療を取り上げて「この技術を縛る法律がなく、高身長や頭脳明晰な子を産むために使われる可能性がある」と倫理上の懸念を示した。

=2015/9/25北海道新聞=

■7月例会
7月16日 JRタワーホテル日航札幌
講師:諏訪貴子氏(ダイヤ精機・代表取締役)
演題:「町工場の娘~主婦から社長になった2代目の10年戦争」


  北海道政経懇話会の7月例会が16日、札幌市内のホテルで開かれた。主婦から社長に転身し、町工場を立て直した手腕が高く評価されているダイヤ 精機(東京)の諏訪貴子代表取締役社長が講演し「若手は(新しい仕事を任せるよりも)適材適所に配属して育成するほうが、早く能力を伸ばせる」と 中小企業に求められる経営手法を語った。
  同社は東京都大田区で精密金属機器を製造し、バブル期に約8億円を売り上げていた。諏訪氏は売上高が半減した2004年、創業者だった父の急死 を受け、2代目社長に就任した。
  就任後3年間に取り組んだ経営改革を振り返り「あいさつや整理整頓の意味を伝えて、一から徹底すると、社員の行動が変わってきた。人は基礎が身 につけば何でもできるようになる」と、社員の意識改革が成長の土台になると指摘した。
  若手社員の育成については、他の社員に負けない面を見つけ、それを維持するよう指導していると説明した。「どんなことでも1番になれば、周りか ら頼られるようになる。そうすると、年上の社員に対しても分からないことを質問しやすくなり、結果的に成長が早まる」と語った。

=2015/7/17北海道新聞=

■6月例会
6月4日 ノボテル札幌
講師:山崎 史郎氏(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部・地方創生総括官)
演題:「人口減少克服・地方創生に向けて」


  北海道政経懇話会の6月例会が4日、札幌市内のホテルで開かれた。内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局の山崎史郎地方創生総括官が講演 し、地方創生の取り組みについて「地域のステークホルダー(利害関係者)皆が参加し、生き残るための計画を立ててほしい」と述べ、官民や自治体間 の連携を求めた。
  政府は昨年末にまとめた人口減少対策の5カ年計画「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、全自治体に2015~19年度を計画期間とする 地方版総合戦略の策定を求めている。
  山崎氏は「20年の東京五輪に向け東京一極集中が進む懸念がある」とし、総合戦略の意義を強調。政府が「地方で30万人の雇用創出」などの数値 目標を挙げたことを踏まえ、具体性のある計画作りを求めた。
  また、戦略策定には各地域が人口動態を分析する必要があるとして「全道から人を集めている札幌の使命は、若者が結婚し子どもを産める環境をつくること」と指摘。鍵となる雇用や産業政策については「市町村の枠組みでは限界がある」との認識を示し、広域連携の重要性や地元金融機関の役割を説 いた。
  また、優遇税制で本社機能の地方移転を促す政府の施策に触れ、自治体側に「医療、教育などの受け入れ態勢をつくり、宣伝してほしい」と、積極的 な情報発信を求めた。

=2015/6/5北海道新聞=

■5月例会
5月12日 札幌グランドホテル
講師:須田寬氏(JR東海相談役)
演題:「北海道新幹線開業による新たな地域振興に向けて」


  北海道政経懇話会の5月例会が12日、札幌市内のホテルで開かれた。JR東海の須田寛相談役が講演し、来年3月の北海道新幹線開業について「新 幹線を起爆剤に、北海道がさらに多くの人を呼び込む観光地へと脱皮すれば、日本全体の観光がさらに幅広いものになる」との期待感を示した。
  須田氏は東海道新幹線や山陽新幹線などの例を挙げながら、道新幹線の開業に向けても「新幹線と観光の新しい連携の形をつくるべきだ」と提言。
  全道各地へ開業効果を行き渡らせる対策として「複数の地域を三角形でつなぐ観光コースを企画するなど、道内からもっと情報発信してはどうか。お もてなしの心を持ち、観光客とふれ合うことも大事だ」と話した。
  一方、新函館北斗―東京間の所要時間が4時間10分とされていることについては「ビジネス需要が発生するのは3時間台だ」と述べ、ビジネス客を 増やすには時間短縮が欠かせないことを訴えた。

=2015/5/13北海道新聞=

■4月例会
4月21日 京王プラザホテル札幌
講師:稲葉篤紀氏(北海道日本ハムファイターズ スポーツ・コミュニティ・オフィサー)
演題:「背番号『41』新たな道」


  北海道政経懇話会の4月例会が21日、札幌市内のホテルで開かれた。昨年現役を引退し、現在プロ野球日本ハムの「スポーツ・コミュニティ・オフィサー」(SCO)を務める稲葉篤紀さんが「背番号『41』新たな道」と題して講演した。
  現在首位のファイターズの原動力となっている大谷翔平投手について「自滅しかかっても踏ん張る、試合の中での修正能力が優れている。責任感が強くピンチでも逃げない」と、エースとして優れた資質を持っている点を指摘した。
  また、長年の選手生活から得た自身の組織論を披露。「強いチームには、監督が『あんなに成績を残しても、あんなに一生懸命やっている』と言えるかがみとなる選手がいる」と持論を展開した。
  スポーツを通じて地域とのつながりをつくる仕事「SCO」については「北海道は冬に思い切った練習ができない。野球に限らずサッカーやテニスなどいろいろなスポーツができる場所をつくりたい」と意欲を語った。

=2015/4/22北海道新聞=

■3月例会
3月16日 札幌プリンスホテル
講師:櫻井賢氏(NHK大阪放送局チーフプロデューサー)
演題:「『マッサン』の裏舞台」


  北海道政経懇話会の3月例会が16日、札幌市内のホテルで開かれ、NHK大阪放送局で連続テレビ小説「マッサン」のチーフプロデューサーを務める桜井賢氏が「『マッサン』の舞台裏」と題して講演した。ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝と妻リタをモデルとし、創業の地・後志管内余市町も登場して視聴率が好調な同ドラマについて「運と、現場の熱と、関わった人たちの才能に支えられてやり遂げられた」と振り返った。
  「国境や文化の壁を乗り越える物語ができないかと考えていた時、別のドラマ撮影で訪れた宮崎のバーで偶然、竹鶴夫妻の話を知った」と誕生秘話を披露。歴代作品初の外国人ヒロインなど不安要素が山積みだったが「閉塞(へいそく)感のある時代に『何とかなる』と言いながら夢を実現した人物のエネルギーを描きたい」と取り組み、現場もチャレンジの連続だったと明かした。
  ヒロインのエリー役に抜てきしたシャーロット・ケイト・フォックスさんについて「共演者からも『芝居にうそがない』と絶賛された」と演技力を高く評価。28日に最終回を迎える予定で「エリーがマッサンへ宛てたラブレターのような最終週になる」と、見どころを語った。

=2015/3/17北海道新聞=

■2月例会
2月24日 札幌グランドホテル
講師:川村隆氏(日立製作所相談役)
演題:「世界で戦える企業になる」


  北海道政経懇話会の2月例会が24日、札幌市内のホテルで開かれた。経団連元副会長で日立製作所相談役の川村隆氏=札幌市出身=が講演し、巨額赤字に陥った自社の経営再建を図った経験を踏まえ「衰退する事業を見極めるのは社長の力量にかかっている」と強調した。
  同社は、リーマン・ショックの影響などで2009年3月期に国内製造業では最悪の約7800億円の赤字を計上した。グループ会社の会長だった川村氏は同年4月、会長兼社長として日立本体に復帰し、事業整理などの再建を進め、業績のV字回復を主導した。
  川村氏は、プラズマテレビ事業からの撤退など当時の経営改革を振り返り「大変なことだったが、痛みのある改革を最後までできるのが、本当の経営者だ」と述べた。その上で、経営が安定している平常時にも事業の見直しなどの改革を続ける重要性を訴えた。
イタリアの複合企業フィンメカニカの鉄道関連事業を買収することで基本合意したことについて「鉄道はヨーロッパが主戦場だ」との認識を示し、英国を拠点に同社の鉄道事業を展開していく考えを強調した。

=2015/2/25北海道新聞=

■1月例会
1月28日 札幌パークホテル
講師:森喜朗氏(元首相)


  北海道政経懇話会の1月例会が28日、札幌市内のホテルで開かれた。2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相が講演 し、20年東京五輪・パラリンピックや19年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会について、「スポーツは国や人々、世の中を変える力がある。 みんなが協力し、参加してもらいたい」と、オールジャパン体制での支援を訴えた。
  森氏は発足から1年が経過した大会組織委について、「五輪とパラリンピックの組織委員会を統一した。障害がある人もない人も協力して社会をつく り上げる共生社会を実現していこうということだ」と話し、両大会一体でボランティア拡充に向けた取り組みなどを進めていることを説明した。
  また、戦後復興を世界にアピールした1964年の東京五輪を振り返りつつ、「20年の目標は世界を変えること。東日本大震災を経験した日本は、 新しい力で新しい国をつくり上げていく姿を示すことが大事」と述べた。札幌市が立候補を表明している26年冬季五輪についても触れ、「ぜひ頑張っ て成功してほしい」とエールを送った。

=2015/1/29北海道新聞=

2014年(平成26年)

■12月例会
12月9日 東京ドームホテル札幌
講師:丹羽宇一郎氏(元駐中国大使)
演題:「習近平体制と日中関係の行方」


  北海道政経懇話会の12月例会が9日、札幌市内のホテルで開かれ、元駐中国大使の丹羽宇一郎氏(75)が「習近平体制と日中関係の行方」と 題して講演した。丹羽氏は沖縄県・尖閣諸島問題に関して「凍結して氷が解けるまで待ちましょうと言えば良い」と述べ、日中関係改善に向けて危 機管理や経済連携などを冷静に話し合うための冷却期間を置くべきだと訴えた。
  丹羽氏は、安倍晋三首相と中国の習近平国家主席がこわばった表情で握手を交わした11月の会談について「習近平は当分、日本に対してあの顔 で臨むだろう」と述べ、日本側から何らかの譲歩を示さない限り日中関係の改善は進まないとの見通しを示した。
  1972年の日中共同声明以降、両国の首脳や民間人が友好の努力を積み重ねてきたと強調し、「習近平にも安倍首相にもその努力をひっくり返 す権限はない。それが歴史の重みだ」と相互融和の必要性を説いた。
  減速が指摘される中国経済については、日本の経済成長の歩みに照らして「崩壊することはあり得ない。これからの中国は成長率5~6%くらい の中位安定成長期になる」と述べた上で、アジアにおける存在感の大きさを踏まえれば日本経済とは切り離せない関係にあるとの認識を示した。

=2014/12/10北海道新聞=

■11月例会
11月25日 札幌東急イン
講師:近藤誠一氏(前文化庁長官)
演題:「日本再生の鍵 文化芸術と地方」


  北海道政経懇話会の11月例会が25日、札幌市内のホテルで開かれた。前文化庁長官の近藤誠一氏(68)は、世界遺産登録を目指す「北海 道・北東北の縄文遺跡群」について「日本人特有の自然観、精神性と結びつけて世界にアピールすることが重要」と課題を挙げた。
  富士山が昨年世界遺産に登録されたことなどを紹介した上で、日本文化の特徴は自然への敬いや目に見えない物に価値を見いだすことだと指摘。 「知名度の高い富士山を通じて、日本人独特の考え方を海外に伝える良いきっかけになると思い、世界遺産登録に向けて活動した」と振り返った。
  日本を再生していくには地方の魅力を生かすことが不可欠だと強調。一例として、上水道がなく地下水を利用している上川管内東川町を紹介し、 「地元に長く住んでいると魅力に気付きにくいが、外部の人を連れて来れば思わぬ発見がある。地域活性化は十分できる」と語った。

=2014/11/26北海道新聞=

■10月例会
10月7日 ノボテル札幌
講師:鈴井亜由美氏(クリエイティブオフィスキュー代表取締役)
演題:「オンリーな北海道コンテンツ制作におけるパートナーの重要性と地域資源の発掘・活性化」


  北海道政経懇話会の10月例会が7日、札幌市内のホテルで開かれた。札幌の芸能事務所「クリエイティブオフィスキュー」の鈴井亜由美社長が講演、自ら企画し、4日に道内で先行公開された映画「ぶどうのなみだ」に込めた思いなどを語った。
 鈴井社長は、「ぶどうのなみだ」でも主演した所属タレント大泉洋さんらの劇団「TEAM NACS(チームナックス)」の演劇をプロデュースしたほか、洞爺湖でパンカフェを営む夫婦を描いた映画「しあわせのパン」(2012年)も企画した。
 鈴井社長は、夫でもある同社の鈴井貴之会長の劇団で役者をしていた経験に触れ、「北海道の劇団は赤字が多かった。エンターテインメントを北海道に根付かせようと1992年に創業した」と会社設立の経緯を話した。また、空知管内のワイナリー(ワイン醸造所)を舞台にした「ぶどうのなみだ」について、「見終わった後、大切な人と乾杯したくなる映画。空知は世界に引けを取らないワインを作っている。ワイナリーをきっかけに空知に元気になってほしいと映画を作った。皆さんも空知に足を運んでほしい」と呼びかけた。

=2014/10/8北海道新聞=

■8月例会
8月26日 JRタワーホテル日航札幌
講師:山口那津男氏(公明党代表)
演題:「結党50年と公明党の役割」


  公明党の山口那津男代表は26日、札幌市内のホテルで開かれた北海道政経懇話会の8月例会で講演し、消費税率10%への引き上げは予定通り来年10月に実施すべきだとの認識を示した。「(自民、公明、民主の)3党で合意したので、われわれは重要な責任を持っている。経済の動向は生き物なので慎重に見ながらも、大局的な判断がなされなければならない」と述べた。
 山口氏は「アベノミクスには3党合意を実行するために逆算して、経済の再生、デフレ脱却の道筋を描く意味もある」と述べ、消費税率10%への引き上げが可能な経済環境を整える必要性を指摘。生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率については「安倍晋三首相が消費税率10%への引き上げを決断する時、低所得者対策の中身がはっきりせず、判断を鈍らせてはいけない」と、年内に制度の詳細を決めるべきだと主張した。食料品のほか、新聞や書籍も対象品目とするのが望ましいとの意向を示した。
 集団的自衛権の行使を容認した閣議決定に関しては「これまでの政府の憲法解釈の枠をはみ出してはいない」と強調、自国を守るための武力行使に限定されたとの認識を重ねて示した。

=2014/8/27北海道新聞=

■7月例会
7月11日 京王プラザホテル札幌
講師:鎌田實氏(医師・作家)
演題:「強くて、温かくて、優しい生き方」


 北海道政経懇話会の7月例会が11日、札幌市内のホテルで開かれた。長野の諏訪中央病院名誉院長で作家の鎌田實氏が「強くて、温かくて、優しい生き方」と題して講演。自らの体験談を織り交ぜ、相手の立場に立つ大切さなどについて語った。
 鎌田氏は、長野で患者本位の地域医療を実践したことで知られる。東京の医大を卒業後、同病院で医師のキャリアを踏み出した1970年代、長野では脳卒中が多かった。予防法の講演会を始めたが、最初は聞いてもらえなかった。「一緒に飲み食いし、語り合う中で信頼を得た。地域や患者のことを考えていると、伝わることが大事だった」
 平均寿命が日本一の長野県では、高齢者の就業率が高く、高齢者が生きがいを感じていることも紹介。住民が絆を保ち、互いの思いを大事にし合って、長寿社会を築いているという。
 このほか、希望を持つことが人体の免疫システムに好影響をもたらし、感動が“幸せホルモン”の分泌につながると説明。「とくにオキシトシンという幸せホルモンは、人を幸せにすることで作られる。ストレスの多い社会だが、1%でも人のために生きることが大切だ」と強調した。

=2014/7/12北海道新聞=

■6月例会
6月6日 札幌プリンスホテル
講師:藤森徹氏(帝国データバンク情報統括部長)
演題:「生き残る会社、つぶれる会社~経営者に共通する10のポイント~」


 北海道政経懇話会の6月例会が6日、札幌市内のホテルで開かれた。民間調査会社の帝国データバンク(東京)情報統括部長の藤森徹氏が「生き残る会社、つぶれる会社」と題して講演し、「アベノミクスなどで倒産件数は減少しているものの、業種や地域によって差が生じている」と述べ、今後の動向を注視する必要性を強調した。
 藤森氏は、経営者の高齢化や後継者不足が深刻化していると指摘し、「社長が70歳を超えると企業の成長が鈍くなるとのデータがあり、新陳代謝が急がれる」と危機感を示した。そのうえで「女性社長の割合は全体の1割にも満たない。経営活性化のため、女性の登用を考えるべきだ」と述べた。
 また、生き残る会社の代表例として、創業から100年以上たった企業の特徴を紹介。多くが「屋号(ブランド)」を守り、経営理念をまとめた「社訓」を掲げ、経営者にものを申す「番頭」が存在することを挙げた。
 一方、倒産企業の経営者の共通点として「計画性、情報、リーダーシップ、危機感、人脈」がなく、「数字、パソコン、朝、決断力、人情」が弱いとし、「企業の存続は社長しだいだ」と訴えた。

=2014/6/7北海道新聞=

    

■5月例会
5月12日 札幌パークホテル
講師:平田竹男氏(内閣官房参与)
演題:「2020年東京オリンピック・パラリンピックを考える」


 北海道政経懇話会の5月例会が12日、札幌市内のホテルで開かれた。内閣官房参与で2020年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室長の平田竹男氏が講演し、「本州より涼しい北海道は各国の事前合宿地としてアドバンテージ(優位性)がある。連携を深めていきたい」と述べた。
 事前合宿について平田氏は、米英など主要国ばかりではなく「メダルを望めないような小さな国でも受け入れ、おおらかに交流を深めて」と訴えた。また、大会後に来道してもらえる機会をつくる必要性を説き「食事や観光を楽しんでもらえるし、日本の将来を担う子どもたちにとって選手と触れ合う機会は大きな意味がある」と指摘した。
 また、平田氏はパラリンピックの開催に当たり「選手や障害者の観光客を見かけた時にどう振る舞えるか。心のバリアフリーの達成が重要」と話した。

=2014/5/13北海道新聞=

■3月例会
3月27日 東京ドームホテル札幌
講師:山田いずみ氏(全日本スキー連盟ジャンプコーチ)
演題:「さらに前へ~女子スキージャンプのこれから」


 北海道政経懇話会の3月例会が27日、札幌市内のホテルで開かれ、全日本スキー連盟ジャンプコーチの山田いずみさん(35)が「さらに前へ~女子スキージャンプのこれから」と題して講演した。
 山田さんは女子ジャンプの先駆者として活躍し、2009年に引退。昨年、女性として初の日本代表コーチとなり、高梨沙羅選手(クラレ)の個人コーチも務める。
 ソチ冬季五輪では女子ジャンプが初開催され、「ようやくここまできたと思い、うれしかった」。W杯で優勝を重ねながら4位だった高梨選手について「五輪前から悩んでいて、本来のジャンプができなかった。試合後の数日間は眠れない日が続き心配した」と明かした。その後、高梨選手は気持ちを切り替え、W杯総合2連覇。「自信をなくしていたので大きかった。今回の五輪の経験を糧に4年後は絶対に勝ちたい」と指導者としての夢を語った。

=2014/3/28北海道新聞=

■2月例会
2月17日 札幌プリンスホテル
講師:麻生晴一郎氏(ノンフィクション作家)
演題:「変わる中国と『普通の人たち』―党や日本はどう見えているのか」


 北海道政経懇話会の2月例会が17日、札幌市内のホテルで開かれ、ノンフィクション作家の麻生晴一郎氏が「変わる中国と『普通の人たち』―党や日本はどう見えているのか」と題して講演した。「これまで何事も政府任せだった庶民の間に、社会への関心や権利意識が芽生えてきた」と述べ、近年の市民意識の変化を紹介した。
 中国では「日本のマナーの良さや文化などを評価する一方、それらを脅威と受け止める傾向もある」と指摘。「日本に好意を持っている人たちを通じて、日本や北海道の良さを伝え、市民交流を深めることが必要」と述べた。

=2014/2/18北海道新聞=

■1月例会
1月14日 京王プラザホテル札幌
講師:野々村芳和氏(北海道フットボールクラブ社長)
演題:「2014年 コンサドーレの新たな挑戦」


  北海道政経懇話会の1月例会が14日、札幌市内のホテルで開かれ、サッカーJリーグ2部(J2)コンサドーレ札幌を運営する北海道フットボール クラブの野々村芳和社長が「2014年 コンサドーレの新たな挑戦」と題して講演、「サポーターがクラブ経営に参加している気持ちになる仕組みをつくりたい」と語った。
野々村社長は静岡県出身。現役を引退した01年まで2シーズン、コンサドーレでプレー。解説者などを経て、13年3月に社長に就任した。
 今年の目標として野々村社長は、債務超過を解消し、Jリーグが各クラブの財務状況を精査するクラブライセンス制度の基準を満たすことと、J1昇 格を掲げた。
 その上で、若手選手を育てるための基金を設置し出資を募るなど、クラブとサポーターとの一体感をさらに高めるアイデアを検討中と明かし、「市民 に支えられているクラブにとって、これが生き残る道だ」と訴えた。

=2014/1/15北海道新聞=

2013年(平成25年)

■12月例会
12月19日 札幌東急イン
講師:阪田雅裕氏(元内閣法制局長官)
演題:「憲法解釈変更と内閣法制局」


 北海道政経懇話会の12月例会が19日、札幌市内のホテルで開かれ、元内閣法制局長官で弁護士の阪田雅裕氏が「憲法解釈変更と内閣法制局」と題 して講演した。安倍晋三首相は集団的自衛権の行使容認に向けた解釈変更に意欲を示しているが、阪田氏は「憲法の平和主義と相いれず、行使を認める 法的論理が思い付かない」と批判した。
 阪田氏は和歌山県出身。1966年に大蔵省(現財務省)入りし、苫小牧税務署長、大蔵省大臣官房審議官などを歴任。92年に「法の番人」と呼ばれる内閣法制局に転じ、2004年8月から06年9月まで長官を務めた。阪田氏は「自衛隊は国民の生命財産を守るから合憲であり、海外では武力行使しない。それが政府の一貫した憲法解釈であり、国民にも受け入れられている」と指摘。その上で「集団的自衛権の本質を国民にしっかりと説明せず、憲法改正の国民投票も経ないで解釈変更で実現しようとするのは解せない」と述べた。

=2013/12/20北海道新聞=

■11月例会
11月5日 札幌東急イン
講師:大野治夫氏(気象予報士・防災士)
演題:「近年の異常気象と北海道の今後」


 北海道政経懇話会の11月の例会が5日、札幌市内のホテルで開かれ、気象予報士で防災士の大野治夫氏が「近年の異常気象と北海道の今後」と題して講演、「北海道は温暖化によって大雨が増えて災害が起きやすくなる。助かるには逃げるしかない」と早期避難を訴えた。
 大野さんは埼玉県生まれ。自動車部品メーカーを経て1995年に気象予報士になり、ラジオ番組などに出演している。
 大野さんは「異常気象は30年に1度程度の頻度で現れるといわれるが、昨年は世界各地で多発している」と、どこでも起こり得ることを指摘。北海道で今年8月下旬に苫小牧市などを襲った集中豪雨も、湿った空気が冷たい空気とぶつかり合う異常気象のメカニズムが働いていた可能性があると説明した。
 地球温暖化により北海道の気温が100年後に2~3度上がるため、札幌の7月の降水量も2.3~2.5倍になると予測。「多くの人は災害が起きても自分は大丈夫だと考えるが、周りの人と対応を確認するなどして家族を守ることにつなげてほしい」と述べた。

=2013/11/6北海道新聞=

■10月例会
10月8日 札幌パークホテル
講師:三浦雄一郎氏(冒険家・プロスキーヤー)
演題:「高く遠い夢、ふたたび―80歳エベレスト登頂」


 北海道政経懇話会の10月例会が8日、札幌市内のホテルで開かれ、冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さんが「高く遠い夢、ふたたび―80歳エベレスト登頂」と題して講演、「85歳では、世界6番目の高峰チョー・オユー峰をスキー滑降したい」と意気盛んに語った。
 5月に史上最高齢の80歳で3度目のエベレスト登頂を果たした三浦さんは「(2度目の)75歳の時は『頑張れ』『何とか登ってこい』と少しは期待されたが、今回は『無理するな』『生きて帰ってこい』ばかりだった」と笑いを誘い「実際には無理に無理を重ねないと登れないし、帰っても来られなかった」と振り返った。
 自らも住む札幌について「大都市でありながら周辺に素晴らしいアウトドア環境を持ち、生涯現役でいられる場所」と、その良さを語った。

=2013/10/9北海道新聞=

■9月例会
9月17日 東京ドームホテル札幌
講師:岩井奉信氏(日本大学法学部教授)
演題:「今後の日本政治の課題」


 北海道政経懇話会の9月例会が17日、札幌市内のホテルで開かれ、日大法学部の岩井奉信教授が「今後の日本政治の課題」と題して講演した。岩井氏は、経済政策への国民の期待感が大きいことなどから「安倍政権に死角がない」と分析。2015年に予定される消費税率の10%への引き上げは、翌年の国政選挙を控え、先延ばしされるとの見通しを示した。
 岩井氏は、経済政策「アベノミクス」で経済が上向きになったほか、石破茂幹事長ら自民党内のライバルを政権内に取り込むなどで「安倍政権は内紛の兆しがなく、安定している」とした。
 消費税増税について、来年4月の8%への引き上げは予定通り行われると予測。10%への増税は、安倍晋三首相が16年夏に憲法改正を争点とした衆参ダブル選挙を行う可能性があり「前年に税率を2桁にして選挙を戦うのはしんどく、16年秋以降に先延ばしするのでは」との見方を示した。
 今後の政権の課題として、財政再建や日中関係の改善のほかに「東京五輪に集中的な公共投資が行われれば、東京と地方の格差が広がる。この是正をどうするかだ」と指摘した。

=2013/9/18北海道新聞=

■8月例会
8月23日 札幌グランドホテル
講師:結城未来氏(灯りナビゲーター)
演題:「仕事と暮らしの照明術 社員の健康からLED節電まで」


 北海道政経懇話会の8月例会が23日、札幌市内のホテルで開かれた。灯りナビゲーターの結城未来さんが「仕事と暮らしの照明術 社員の健康からLED節電まで」と題して講演し、「光を上手に使って健康と節電対策に役立てて」と語った。
 結城さんはテレビ番組でフリーアナウンサーやリポーターとして活躍する一方、照明の活用法や節電対策をテーマに講演や執筆活動を続けている。
 講演では、生体リズムの乱れが関係する睡眠障害とうつについて、光によってリズムを正常に戻すポイントを紹介。「朝は窓際で太陽の光を浴びて朝食を取り、寝る前は、たそがれ時のような暖かみのある光でリラックスを」とアドバイスした。
 また、節電対策などで普及が進む発光ダイオード(LED)照明の長所と短所を説明。品質にばらつきがあることやLEDの光に慣れない人がいることにも触れながら、トイレや廊下など滞在時間の短いスペースからLEDへの付け替えを進めることを勧めた。

=2013/8/24北海道新聞=

■7月例会
7月5日 ノボテル札幌
講師:向田昌幸氏(元海上保安庁警備救難監)
演題:「海上保安官から見た日本の国境問題」


 北海道政経懇話会の7月例会が5日、札幌市内のホテルで開かれた。2010年の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件も捜査した元海上保安庁警備救難監の向田昌幸氏が「海上保安官から見た日本の国境問題」と題して講演し、沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題について、「中国に国際司法裁判所(ICJ)への提訴を持ちかけて、国際社会に日本の主張を示すべきだ」と述べた。
 向田氏はICJへの提訴について、「政府は『わが国の固有の領土で問題がないのになぜ提訴しなければいけないのか』という立場だが、国際社会ではわかりにくい」と強調。「国際法や歴史的にも中国の領有権主張の根拠がないことが明らかだ」と述べ、日本の主張をアピールする場として活用すべきだと訴えた。
 一方で、「日本にとって尖閣諸島がどれほどの価値があるか国民の合意になっていない。領有権問題は政治が先頭に立って努力すべきだが、国民に主体性がなければどの政権でも自信を持って対処できない」と述べた。

=2013/7/6北海道新聞=

■6月例会
6月7日 札幌プリンスホテル
講師:松本正生氏(埼玉大大学院経済科学研究科教授)
演題:「世論調査で読む参院選―『そのつど支持』はどう動くか」


 北海道政経懇話会の6月例会が7日、札幌市内のホテルで開かれ、埼玉大大学院経済科学研究科教授の松本正生氏が「世論調査で読む参院選―『そのつど支持』はどう動くか」と題して講演、「特定の支持政党を持たない層が道内でも約50万人以上はおり、参院選のキャスチングボートを握るだろう」との見方を示した。
 松本氏は特定の支持政党を持たず、選挙のたびに1票の使い道を考える層を「そのつど支持」と名付け、世論調査を基に「年代を問わず、この層が増えているのは全国的な傾向だ」と指摘。「衆院選、参院選ごとに投票行動が大きく変わる。選挙が短期的なイベントと化している」と述べた。
 また、こうした傾向は中高年層で特に顕著だとして、「人間関係が希薄になった分、メディアからの情報を基準に投票先を選ぶ傾向が強まっているためだ」と分析。
 インターネットを使った選挙運動の解禁については「国政選挙よりも、メディアが注目しない地方の選挙のあり方を劇的に変える可能性がある」との見方を示した。

=2013/6/8北海道新聞=

■5月例会
5月16日 JRタワーホテル日航札幌
講師:浜矩子氏(同志社大大学院ビジネス研究科教授)
演題:「これからどうなるグローバル経済と日本」


 北海道政経懇話会の5月例会が16日、札幌市内のホテルで開かれた。同志社大大学院の浜矩子教授が「これからどうなるグローバル経済と日本」と題して講演。政府が交渉入りを決めた環太平洋連携協定(TPP)について「地域限定の貿易協定で、地域外の国と自由に取引できなくなり、世界的には貿易を不自由にする」と批判した。
 安倍政権の下で進む円安について「自国だけ輸出を増やし成長を独り占めしようとするのは近隣窮乏化政策。各国の通貨切り下げ競争を招く」と指摘。日銀の金融緩和策にも言及し「中央銀行が政府の言いなりになるのは、民主国家では考えられない。大量に国債を買い、バブル経済の製造装置や政府への金貸し業者になっている」と切り捨てた。
 今後のグローバル経済について「人・物・金は国境を越えて移動している。円安による輸出やTPPのような排他的な経済に頼らず、積極的に輸入も増やし国際貿易を活発化させる発想が必要だ」と訴えた。

=2013/5/17北海道新聞=

■4月例会
4月22日 札幌パークホテル
講師:石破茂氏(自由民主党幹事長)
演題:「自民党は変わったか 参院選、長期政権に向けた展望と課題」


 自民党の石破茂幹事長は22日、札幌市内で開かれた北海道政経懇話会で講演し、環太平洋連携協定(TPP)で影響が懸念される農業分野の対策について、農業従事者の所得を10年で2倍に増やしたいとの考えを示した。
 石破氏は講演で、「『農業農村所得倍増10カ年計画』を鮮明に打ち出すことが必要だ」と述べた。自民党として、5月の大型連休後、計画を実施するための本部を政府内に設置するよう安倍晋三首相らに進言していることも明らかにした。
 また、「TPP交渉で守るべきものは守る。それは必ず約束する」とした上で、「守ったとしても、農地や後継者や所得が確保されなければ、農業は衰退する。これからどうやって付加価値をつけ、農商工連携をやるか、その可能性を一番持っているのは北海道だ」と強調。生産から加工、流通までを融合させる「6次産業化」などの施策を進めていく考えを示した。

=2013/4/22北海道新聞=

■2月例会
2月5日 札幌グランドホテル
講師:興梠一郎氏(神田外語大教授)
演題:「中国はどこへ向かうのか?―巨大国家の現状と課題を探る」


 北海道政経懇話会の2月例会が5日、札幌市内のホテルで開かれた。神田外語大の興梠一郎教授が「中国はどこへ向かうのか?―巨大国家の現状と課題を探る」と題して講演、「中国政府は日本との関係改善に向け動いており、道内への客足は近く回復する」との見通しを示した。
 興梠教授は、尖閣諸島問題に端を発する昨秋の反日デモについて、「根底には格差社会への不満がある」と指摘した。政府が民衆を制御しきれなくなっており、「これからの中国ビジネスは、共産党だけではなく民衆を味方につける必要性が高まっている」と強調した。
 一方、先月下旬に行われた公明党の山口那津男代表と中国共産党トップの習近平総書記の会談を、中国の主要メディアが大きく報道したことについて「中国政府が日本との関係を改善したいという思惑の表れ」と分析。「北海道は人気の旅行先。購買力旺盛な中国人客が、今年は道内に戻ってくるだろう」と述べた。

=2013/2/6北海道新聞=

■1月例会
1月16日 東京ドームホテル札幌
講師:栗山英樹氏(北海道日本ハムファイターズ監督)
演題:「夢を追いかけて―2013年日本一へのチャレンジ」


 北海道政経懇話会の1月例会が16日、札幌市内のホテルで開かれた。プロ野球北海道日本ハムの栗山英樹監督が「夢を追いかけて―2013年日本一へのチャレンジ」と題して講演した。
 米大リーグ挑戦を表明しながらも約1カ月間の交渉の末に入団した大谷翔平選手=岩手・花巻東高=について「ファイターズは世界一の球団。世界の球団が学びに来るようになる」と、育成に自信を示した。
 昨季は就任1年目で3季ぶりのリーグ優勝を果たしたが「僕は一つも技術を教えていない。選手が『監督が一生懸命やっているし、やってやろうかな』と思ってくれた」と謙遜。巨人に敗れた日本シリーズでは、第1戦で黒星を喫した吉川光夫投手に直訴され、中4日の短さで第5戦先発を任せた舞台裏も披露。「選手を信じて前へ進むことで新たな形が見えてくる」と、7季ぶりの日本一奪還へ意欲を示した。

=2013/1/17北海道新聞=

2012年(平成24年)

■12月例会
12月18日 京王プラザホテル札幌
講師:礒崎敦仁氏(慶応大専任講師)
演題:「北朝鮮・金正恩体制のいま、これから」


 北海道政経懇話会の12月例会が18日、札幌市内のホテルで開かれた。慶応大専任講師の礒崎敦仁氏が「北朝鮮・金正恩(キムジョンウン)体制のいま、これから」と題して講演し、「(北朝鮮への)制裁が目的化している。拉致問題解決を目的とするなら、強硬だと思われている安倍新政権だからこそ、国民の理解を得やすい形で交渉を」と述べた。
 礒崎氏は、発足1年の金正恩第1書記による新体制を現すキーワードとして、軍事優先の先軍政治を含む「前例踏襲」と、父親の金正日(キムジョンイル)総書記が20年をかけた権力継承を、わずか3年で行った「超高速」を挙げた。
 その上で「準備不足という声もあるが、権力基盤は意外に盤石という見方もできる」と分析。軍や秘密警察など巧みな統治システムを背景に、いつか崩壊するというのは「希望的観測」と断言した。
 礒崎氏は在中国日本大使館で北朝鮮の専門調査員、外務省専門分析員などを経て、2007年から現職。

=2012/12/19北海道新聞=

■11月例会
11月7日 札幌プリンスホテル
講師:平松邦夫氏(前大阪市長)
演題:「政治は誰のためにあるのか―大阪発・橋下現象の読み方」


 北海道政経懇話会の11月例会が7日、札幌市内のホテルで開かれた。前大阪市長の平松邦夫氏が「政治は誰のためにあるのか―大阪発・橋下現象の読み方」と題して講演、「(橋下徹氏の)選挙に勝ったら白紙委任を受けたのと一緒という考え方に、危機感を持っている」と述べた。
 元毎日放送アナウンサーの平松氏は、2007年に大阪市長選に当選。経費削減などの市政改革に取り組み、昨年11月に再選を目指したが、大阪府知事から転身した橋下氏に敗れた。現在は地方自治体などに政策提言するシンクタンク代表を務めている。
 平松氏は「政治は多くの人をどれだけ幸せにできるかだ」と強調。橋下氏が「維新八策」で掲げた競争や自立の理念について、「ついて行けなければ自分が悪いと言われる。そういう人に任せて社会不安が起きないのか」と批判した。
 その上で、「民主主義は多様性を認めながら、この国のありようを探していくことだ」と述べた。

=2012/11/8北海道新聞=

■9月例会
9月19日 札幌グランドホテル
講師:山田昌弘氏(中央大教授)
演題:「保守化する若者―企業はどう向き合うべきか」


 北海道政経懇話会の9月例会が19日、札幌市内のホテルで開かれた。中央大教授の山田昌弘氏が「保守化する若者―企業はどう向き合うべきか」と題して講演し「若者がチャレンジできる社会に変えていく必要がある」と述べた。
 山田氏は社会学が専門で、東京学芸大教授を経て現職。結婚しないで親と同居し食事や住居を頼る「パラサイト・シングル」や「希望格差社会」「婚活」などの用語を生み出し、現代社会を独自の観点から分析している。
 講演では、保守化は2000年以降強まり、この5年間で一層顕著になったと指摘。1990年代は多くが正社員になれたのに非正規雇用が増大し、若者は経済的に下流になり、自由な生き方をしにくくなったことが背景にあると分析した。
 現状を変える方法として、雇用構造と社会保障の大胆な改革が必要と提言。「新卒―正採用という流れから外れても安心できるようにし、男女共働きでやっていくことが大切」と結んだ。

=2012/9/20北海道新聞=

■7月例会
7月6日 東京ドームホテル札幌
講師:申珏秀氏(駐日韓国大使)
演題:「北東アジアにおける地域協力の現状と今後の展望」


 北海道政経懇話会の7月例会が6日、札幌市内のホテルで開かれ、駐日韓国大使の申珏秀(シンカクス)氏が「北東アジアにおける地域協力の現状と今後の展望」と題し講演した。申氏は日中韓3国の経済・文化交流の急速な進展を指摘する一方、今後安全保障でも協力関係を強める必要性を訴えた。
 申氏は「3カ国の外貨保有高は4兆8千億ドルに上り、世界全体のおよそ半分を占める勢い」と世界経済における北東アジアの重要性を強調。一方で「過去2世紀の西欧列強の進出や戦争、冷戦などの影響で、どの地域よりも地域協力体制が遅れている。北(朝鮮)や台湾の問題があるのに、特に安全保障の連携が弱い」と問題点を指摘した。申氏は「欧州が20世紀前半のつらい経験をむしろ歴史の教訓として受け止め、堅実な統合を成し遂げたことを見習うべきだ」とした上で、今年5回目を迎えた3国首脳によるサミットに象徴される、協力関係の強化に期待を寄せた。

=2012/7/7北海道新聞=

■6月例会
6月15日 JRタワーホテル日航札幌
講師:上治丈太郎氏(ミズノ代表取締役副社長)
演題:「オリンピックの創立から現在」


 北海道政経懇話会の6月例会が15日、札幌市中央区のJRタワーホテル日航札幌で開かれ、ロンドン五輪を前にスポーツ用品大手ミズノ(大阪)の上治丈太郎副社長が「オリンピックの創立から現在」と題して講演した。上治氏は長年、同社の五輪商戦の陣頭指揮を執ってきた経験を基に「五輪は選手にとっても、企業にとっても特別なイベントだ」と強調した。
 上治氏は、1988年のソウル五輪から同社の五輪担当の責任者として、シューズやウエアなどさまざまな製品を国内外の選手らに提供してきた。公益財団法人日本オリンピック委員会国際専門部会員も務めている。
 五輪会場では、飲料などがスポンサー企業の商品に限定されていて不便に感じたという自らの体験も交えながら、「商業化が徹底されている」と説明。ただ、自社製品を提供した出場選手が活躍することで「製品の優秀性を表し、ブランドイメージを高められる大変有効なスポーツイベントだ」と述べた。

=2012/6/16北海道新聞=

■5月例会
5月30日 京王プラザホテル札幌
講師:田原総一朗氏(ジャーナリスト)
演題:「時代を読む」


 北海道政経懇話会の5月例会が30日、札幌市内のホテルで開かれ、ジャーナリストの田原総一朗氏が「時代を読む」と題して講演した。田原氏は「民主党も自民党も、何をするか分からない大阪維新の会の橋下徹大阪市長が怖い。次期衆院選で両党とも単独で政権は取れず、民主、自民で連立を組むことになる」と述べ、衆院選後は政界再編が焦点となるとの見方を示した。
 田原氏は次期衆院選について「大阪維新の会とみんなの党で100近い議席を取る」と予測。それに対抗するため、民主、自民の連立があるとし、「連立政権では谷垣禎一自民党総裁が首相になったらいいという見方が、民主党幹部の間でも広がっている」と述べた。
 道内経済の話題にも触れ「北海道には素晴らしい農作物などがあるが、本州に素材のまま売っている。発展途上国と同じやり方で、経済は潤わない。素材をいかに加工して売るかが大切」と厳しい言葉でエールを送った。

=2012/5/31北海道新聞=

■4月例会
4月16日 札幌プリンスホテル
講師:藤井裕久氏(民主党税制調査会長)
演題:「あるべき税と社会保障」


 北海道政経懇話会の4月例会が16日、札幌市内のホテルで開かれ、民主党の藤井裕久税制調査会長が「あるべき税と社会保障」と題して講演した。藤井氏は、野田政権が消費税増税の前提と位置づける衆院比例定数の80削減方針について「妥協してもいい」と述べ、削減幅の縮小を含めて柔軟に対応するべきだとの認識を示した。
 比例定数80削減方針は、比例代表を生命線とする公明党や小政党が反発している。藤井氏は「抵抗は強いが、削減はやらないといけない」とも述べ、野党への譲歩は一定程度にとどめるべきだとの考えも示した。
 消費税増税関連法案の国会審議を控え、野党が反発を強めていることを念頭に「野党をどんなに説得しても、世の中の理解がなければできない。(野党への)根回しだけではできない」と述べ、実現には国民の理解が不可欠だと強調した。
 政府が進める経済再生の「新成長戦略」については観光と農業の結びつきが重要と指摘し、「北海道にも自然や文化資源がずいぶんあるが、あまり活用されていない」と財政支援の必要性に言及した。

=2012/4/17北海道新聞=

■2月例会
2月6日 札幌パークホテル
講師:ミハイル・ベールイ氏(駐日ロシア大使)
演題:「予想されるロシア新体制と日ロ関係」


 北海道政経懇話会の2月例会が6日、札幌市内のホテルで開かれ、駐日ロシア大使のミハイル・ベールイ氏が「予想されるロシア新体制と日ロ関係」と題して講演した。日ロ両政府が検討を進めることで一致している北方四島での共同経済活動に関し「日本の立場を害さないで進めるために協議する用意がある」と述べた。
 共同経済活動について、先月末に来日したラブロフ外相が「日本の法的立場に損害を与えないよう努力したい」と配慮したのを受け、ベールイ氏が日本政府に協議入りを促した形だ。日本側がロシア法に基づかない形での共同活動を求めているのに対し、ベールイ氏は「ロシアの法の中で適当な形式を考えている」とした。
 ロシアで拡大した反政権デモについては「まだ若いロシアの民主主義が進みつつあることを示しており、歓迎するべきだ」との考えを示した。

=2012/2/7北海道新聞=

■1月例会
1月24日 札幌グランドホテル
講師:吉田類氏(エッセイスト・イラストレーター)
演題:「酒場詩人のススメ」


 北海道政経懇話会の1月例会が24日、札幌市内のホテルで開かれ、エッセイストで俳人の吉田類さんが「酒場詩人のススメ」と題して講演した。吉田さんは、「北海道の自然は豊かだ。うまい酒を口にし、四季の移ろいを目にすれば自然に俳句が生まれてくる」などと語った。
 吉田さんはBS-TBSの人気番組「吉田類の酒場放浪記」に出演し、2003年9月の放送開始からこれまでに500軒を超える居酒屋を紹介。また俳人として札幌でも句会を開催しており、「酒と俳句が縁で多くの人々と親交を深めてきた」と笑顔で話した。
 また、生まれ故郷の高知県仁淀川町の山々が、自然林から人工のスギ林に変わってしまったことに触れ、「人の手で失われた自然は、人の手で取り戻すしかない」と強調。「北海道にも同じような状況はあるはず。観光と両立しながら環境保全の努力を続けてほしい」と訴えた。

=2012/1/25北海道新聞=

2011年(平成23年)

■12月例会
12月12日 ノボテル札幌
講師:鈴木宣弘氏(東京大学大学院教授)
演題:「TPPと国益」


 北海道政経懇話会の12月例会が12日、札幌市内のホテルで開かれ、野田佳彦首相が関係国との協議入りを表明した環太平洋連携協定(TPP)問題について、東大大学院農学生命科学研究科教授の鈴木宣弘氏が「TPPと国益」と題して講演した。鈴木氏は「欧州連合(EU)とアジアで柔軟で互恵的な自由貿易協定(FTA)を進めれば、もっと利益が出る」と述べ、TPPよりも日中韓FTAなどを進める必要性を訴えた。
 TPPについて、鈴木氏は「コメなどの関税がゼロになれば、これまで最もコストを下げて頑張ってきた北海道が一番影響を受ける」と指摘。医薬品や農薬などの安全基準の緩和などが求められる危険性も強調した。
 また、「貿易の拡大や経済連携の方法はたくさんあるのに、最悪のTPPをなぜ選ぶのか」と首相の対応を批判。「製造業や農業の販路拡大にはアジアとの関係が重要。まず、アジアの国と足場をつくることが、米国と対等な関係をつくる基礎になる」と訴えた。

=2011/12/13北海道新聞=

■11月例会
11月8日 京王プラザホテル札幌
講師:藻谷浩介氏(日本政策投資銀行参事役)
演題:「『デフレ』の正体と震災後の日本の針路」


 北海道政経懇話会の11月例会が8日、札幌のホテルで開かれ、ベストセラー「デフレの正体」の著者で日本政策投資銀行の藻谷浩介参事役が「『デフレ』の正体と震災後の日本の針路」と題し講演した。藻谷氏は超高齢化社会への備えについて「働く世代が減れば消費力も落ちる。大量生産品ではなく地域独自のブランド商品をつくり、アジアの富裕層に売るべきだ」と訴えた。
 藻谷氏は、札幌市と東京23区の商業売上高が同様に減少しているデータを示しながら、「東京が独り勝ちで地方との格差が拡大しているという認識は誤りだ」と指摘。「大都市より、水、食料、エネルギーが豊富な北海道の方がより豊かになる条件はそろっている」と主張した。

=2011/11/9北海道新聞=

■10月例会
10月6日 札幌グランドホテル
講師:米倉弘昌氏(経団連会長)
演題:「成長戦略実現に向けた課題と経団連の取り組み」


 北海道政経懇話会の10月例会が6日、札幌市内のホテルで開かれ、経団連の米倉弘昌会長が「成長戦略実現に向けた課題と経団連の取り組み」と題して講演した。米倉氏は北海道農業を「大規模な専業農家を核に生産性向上の取り組みが進んでいる」と評価し、国内農業の改革のけん引役として期待感を示した。
 米倉氏は日本経済の再生に「規制緩和による内需活性化と、経済連携協定の締結による海外需要の取り込みが必要」と述べ、環太平洋連携協定(TPP)に参加すべきだとの考えを強調した。
 また地域活性化へ農業振興が不可欠だとして「北海道の農業モデルが各地で生かされ、わが国の農業の競争力強化につながることを期待する」と、国内全体で大規模化と生産性向上への取り組みを加速するよう求めた。
 道経連と道などが国に申請している「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区」については「農業の収益性を高め、成長産業につながる動きとして大変心強く感じる」と共感を示した。

=2011/10/7北海道新聞=

■8月例会
8月11日 札幌プリンスホテル
講師:中島隆信氏(慶応大学商学部教授)
演題:「改革待ったなし!大相撲は生き残れるのか?」


 北海道政経懇話会の8月例会が11日、札幌市内のホテルで開かれ、慶大商学部教授の中島隆信氏が「改革待ったなし!大相撲は生き残れるのか?」と題して講演した。中島教授は「八百長問題など、不祥事を起きにくくする仕組みづくりが必要」と強調した。
 中島教授は、日本相撲協会が昨年設置した外部機関「ガバナンス(統治)の整備に関する独立委員会」副座長を務めた。八百長や野球賭博問題などの影響により、協会の2010年収支は17億円以上の赤字だったが、「理事長以下、責任が一切問われない。経営の発想が乏しい組織」と指摘した。
 改革に向けては、親方衆で固めている評議員会や理事会を「半分は外部の有識者に入れ替えるべきだ」と提言。さらに「部屋の師匠と理事の兼任を禁止して、経営と現場を分離することが必要」とした。
 八百長の再発防止については「協会や報道機関は、継続的な検証を」と要望した。

=2011/8/12北海道新聞=

■7月例会
7月29日 札幌パークホテル
講師:安倍晋三氏(元首相)
演題:「日本をいかに立て直すか」


 北海道政経懇話会の7月例会が29日、札幌市内のホテルで開かれ、自民党の安倍晋三元首相が「日本をいかに立て直すか」と題して講演した。安倍氏は子ども手当見直しで調整が続く特例公債法案に関し「所得制限で法案に賛成すれば、高速道路無料化などにも賛成することになる」と述べ、民主党が他の政策も撤回しない限り、賛成すべきでないとの意向を表明した。
 また、菅直人首相を早期辞任に追い込むには、衆院での首相辞職勧告決議案可決が有力な選択肢になるとの認識を示し、「解散のリスクが少なく民主党の議員も賛成しやすい」と指摘。東日本大震災復興のための増税には「経済政策として間違っている。国債を出して日銀に引き受けてもらい、貨幣の供給量を増やすことが大切だ」との見解を示した。
 また、最近、会合で同席した鳩山由紀夫前首相に首相を退陣に追い込む際の協力を求めたところ「任せてください」と言われたと説明。小泉純一郎元首相からは「自民党が大連立を組んだら次の選挙は厳しい目に遭う」と助言されたことも明かした。

=2011/7/30北海道新聞=

■6月例会
6月29日 ノボテル札幌
講師:歳川隆雄氏(「インサイドライン」編集長)
演題:「東日本大震災と菅政権の行方」


 北海道政経懇話会の6月例会が29日、札幌市内のホテルで開かれ、情報誌「インサイドライン」編集長の歳川隆雄氏が「東日本大震災と菅政権の行方」と題して講演した。歳川氏は「菅直人首相は反核・脱原発を宣言し、盆明けにも衆院を解散するだろう」と述べた。
 歳川氏は「首相は自然エネルギー政策に関して、(広島と長崎への原爆投下日に挟まれた)8月7、8日のいずれかに、福島で被災地の住民を意識した先鋭的な演説を準備している」と述べた。その上で、反核・脱原発の是非を争点に8月下旬に解散、9月中旬に総選挙に踏み切る可能性が高いとの認識を示した。
 一方で、仙谷由人官房副長官の動きも鍵になると指摘。「彼は自民党55年体制の党人派に似ており、党幹部で最も保守的。仙谷氏首班で大連立を組めば国難を突破できる」と述べた。

=2011/6/30北海道新聞=

■5月例会
5月20日 札幌グランドホテル
講師:寺島実郎氏(日本総合研究所理事長)
演題:「世界の構造転換と日本の進路」


 北海道政経懇話会の5月例会が20日、札幌市内のホテルで開かれ、日本総合研究所理事長の寺島実郎氏が「世界の構造転換と日本の進路」と題して講演した。寺島氏は東京電力福島第1原発事故で「脱原発」の流れが強まっていても、日本は原子力の技術基盤と技術者は維持していくべきだと訴えた。
 寺島氏は「近隣のアジア諸国が原発を推進していく中、これらの国で事故が起きた際に、日本で原子力の知見を持った人がいないと国際社会での立ち位置を失う」と指摘。
 その上で、「日本がドイツのように再生可能エネルギーを推進するなら、立ちゆかなくなった時に支え合えるよう、アジア諸国と平和目的の原子力技術を共有して、関係を築いていくべきだ」と述べた。
 また、寺島氏は「メガソーラーなど再生可能エネルギー推進に苫東が果たす役割が重要」と述べ、苫小牧東部地域(苫東)が電力の供給基地として見直されるべきだとの考えを示した。

=2011/5/21北海道新聞=

■4月例会
4月8日 京王プラザホテル札幌
講師:東郷和彦氏(京都産業大世界問題研究所長)
演題:「失われた20年からの再興~北方領土問題の場合」


 北海道政経懇話会の4月例会が8日、札幌市内のホテルで開かれた。元外務省欧亜局長で京都産業大世界問題研究所長の東郷和彦氏(66)が「失われた20年からの再興~北方領土問題の場合」と題して講演し、停滞する北方領土返還交渉の進展には政府首脳レベルの信頼関係構築から始める必要があると訴えた。
 東郷氏は最近の領土問題について、ロシア側が北方四島への投資を進める一方、日本側首脳の「不法占拠」発言などで両国関係が悪化し、「北方領土の『ロシア化』だけが進んでいる」と指摘。「これを食い止めるために日本はもっと四島の現状に関わるべきではないか」と持論を述べ、主権問題を理由に共同開発に消極的な政府の姿勢に疑問を呈した。
 また「まずは本当に話せるチャンネルをつくること」と、首相や外務省は早急にロシア側と人脈をつくり直すべきだと強調した。

=2011/4/9北海道新聞=

■2月例会
2月21日 札幌プリンスホテル
講師:後藤謙次氏(政治ジャーナリスト)
演題:「忍びよる3月危機-菅直人政権の展望」


 北海道政経懇話会の2月例会が21日、札幌市内のホテルで開かれた。元共同通信編集局長で政治ジャーナリストの後藤謙次氏(61)が「忍びよる3月危機-菅直人政権の展望」と題して講演し、4月の統一地方選後に首相退陣の可能性があるとの見方を示した。
 後藤氏は、通常国会では2011年度の予算関連法案が成立できるかどうかが最大の焦点だとし、「出来なかった場合、残された道は(菅内閣の)退陣か解散。居座りは、おのずから限界がある」と指摘。「3月に危機は表面化するが、何とかしのいで、5月の連休前後に大きなヤマ場が訪れるのではないか」と述べた。
 その上で、求心力を失っている首相が解散に踏み切れる見通しは低く、関連法案成立などと引き換えに内閣総辞職する可能性があるとし、「ポスト菅」の候補として前原誠司外相や玄葉光一郎国家戦略担当相らの名前を挙げた。

=2011/2/22北海道新聞=

■1月例会
1月17日 札幌パークホテル
講師:梨田昌孝氏(北海道日本ハムファイターズ監督)
演題:「長所を見抜いて個性を伸ばせ-V奪還への挑戦」


 北海道政経懇話会の1月例会が17日、札幌市内のホテルで開かれ、プロ野球北海道日本ハムの梨田昌孝監督(57)が「長所を見抜いて個性を伸ばせ-V奪還への挑戦」と題して、講演した。
 注目の新人、斎藤佑樹投手(22)=早大=について、梨田監督は先発入りへの期待を表明。その上で、公式戦デビューは「うまくいくと、東京ドームでの2戦目(3月30日)か、3戦目が目安になると思う」との見通しを示した。
 抜群の人気を誇る斎藤投手だが、実力面でも、技術の高さなどから「ゲームメークができる」と評価した。
 また、5年ぶりのBクラスに沈んだ昨季から巻き返しを図る今季のポイントには、2番打者の確立を挙げた。横浜に移籍した森本稀哲外野手(29)の代役候補の筆頭として、若手の陽岱鋼内野手(24)を指名し、「本当に身体能力が高い」と奮起を促した。
 ひときわ脚光を浴びる今季について、「北海道から全国へ発信する、強い気持ちを持ってやりたい」と意欲を示した。

=2011/1/18北海道新聞=

2010年(平成22年)

■12月例会
12月8日 札幌後楽園ホテル
講師:辺真一氏(コリア・レポート編集長)
演題:「ポスト金正日体制と北朝鮮の現実」


 北海道政経懇話会の12月例会が8日、札幌市内のホテルで開かれ、コリア・レポート編集長の辺真一(ピョンジンイル)氏(63)が「ポスト金正日(キムジョンイル)体制と北朝鮮の現実」と題して講演した。
 辺氏は、北朝鮮の韓国砲撃について「金正日総書記の健康不安で、後継者とされる三男・正恩(ジョンウン)氏の体制固めを急ぐあまり、米国に対し最後の賭けに出た」と説明。韓国の出方によっては「地上戦も起こりうる」と指摘した。
 日米韓が中国に対し、北朝鮮に働きかけるよう求めていることには「中朝はへその緒でつながっており、当てにならない。米朝関係を取り持つのが日本や中国の役割」。日本人拉致問題については「早期に日朝のトップ外交で話し合うべきだ」と述べた。

=2010/12/9北海道新聞=

■11月例会
11月8日 ノボテル札幌
講師:宮本雄二氏(前駐中国大使)
演題:「中国の現状と日中関係」


 北海道政経懇話会の11月例会が8日、札幌市内のホテルで開かれ、前駐中国大使の宮本雄二氏が「中国の現状と日中関係」と題して講演した。
 宮本氏は中国が外部世界に対して強い猜疑(さいぎ)心を持ち、「西側諸国は中国共産党による統治を覆そうとしている」と考えていると指摘し、「日本の意図とは違うように解釈し、怒ることがある」と語った。
 尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件では、中国側は「日本が尖閣諸島の領有権を強固にするために意図的に事件を起こし、司法プロセスに乗せようとした」と判断したために強く反論したと分析。「(日中間の問題を)一刻も早く世界に広げることで(世界の中の日中関係として)相対化し、処理しやすくすることが必要だ」と述べた。
 また、中国の現状について「成長が著しく速く、法律や社会制度、人材が間に合っていない」との見方を示した。

=2010/11/9北海道新聞=

■9月例会
9月15日 札幌グランドホテル
講師:斎藤次郎氏(日本郵政社長)
演題:「郵政事業の現状と今後の展開について」


 北海道政経懇話会の9月例会が15日、札幌市内のホテルで開かれ、元大蔵事務次官で日本郵政取締役兼代表執行役社長の斎藤次郎氏が「郵政事業の現状と今後の展開について」と題して講演した。
 「新たに郵貯、保険もユニバーサルサービス(全国一律のサービス)に広げることで郵便局が地域に根差し、地域振興に重要な役割を担う立場になる」と述べ、国会審議を控えた郵政改革法案の意義を強調した。
 斎藤氏は郵便物の取扱量減少や郵便貯金残高が10年で85兆円減った状況などを挙げ、「郵便、貯金、保険の3事業の先行きは明るくない」と指摘した。
 その上で、ユニバーサルサービス拡大に伴い、利便性向上や経営安定のために「貯金の預入限度額や簡保の保障限度額の拡大が必要」と述べた。
 野党から同法案に関し「再国営化だ」などの批判が出ていることについては、ほかの先進国は国営や100%政府保有の会社が運営しているケースが多く「3分の1の政府保有で批判が起きるのは日本だけの現象だ」と反論した。

=2010/9/16北海道新聞=

■8月例会
8月26日 京王プラザホテル札幌
講師:木下代理子氏(色彩研究家)
演題:「ビジネスに活かす色彩戦略」


 北海道政経懇話会の8月例会が26日、札幌市内のホテルで開かれた。東京で活躍する色彩研究家の木下代理子さんが「ビジネスに活(い)かす色彩戦略」と題して講演し、「ねずみ色は謝罪カラー」などと色が人間の深層心理にどう影響するかを解説した。
 木下さんは、陸上競技場のトラックや卓球台が、精神を安定させ集中力を高めると言われる青色を採用したり、明るい印象で安心感を与えるというオレンジ色を服装などに使う政治家が増えているといった最近の活用例を紹介。「一期一会が多いビジネスの世界は、色がかなりの部分で左右する」と強調した。
 また、ビジネス上のトラブルで謝罪する場合の服装は、目立たず、まじめな印象を与える薄いグレーを推薦。「(謝罪時に使って)失敗するのが黒。(周囲を)威圧する色なので絶対に使わないでほしい」とアドバイスした。

=2010/8/27北海道新聞=

■7月例会
7月9日 札幌プリンスホテル
講師:飯尾潤氏(政策研究大学院大学教授)
演題:「参院選と民主党政権の今後」


 北海道政経懇話会の7月例会が9日、札幌市内のホテルで開かれ、講師の政策研究大学院大学教授の飯尾潤氏は参院選後の民主党と他党の連立可能性について「(最も有力な)公明党は来年の統一地方選までは加わらない」として、法案ごとの協力関係にとどまるとの見通しを示した。
 飯尾氏は「参院選と民主党政権の今後」と題して講演。与党過半数を困難とする北海道新聞など各報道機関の議席予測について「(実際の結果と)大きな違いはないのでは」と述べた。
 その上で、各種法案通過に必要な与党過半数の議席確保には「みんなの党でも足りない」とし、公明党がキャスチングボートを握ると分析する一方、「今回、自民の1人区善戦は、公明がいくらか協力しているから。来年の統一地方選では自民から貸しを返してもらう期待をしている」とし、民主との連立には否定的な見方を示した。

=2010/7/10北海道新聞=

■6月例会
6月3日 札幌パークホテル
講師:馮寄台氏(台北駐日経済文化代表処代表)
演題:「この2年間の台日関係と両岸関係」


 北海道政経懇話会の6月例会が3日、札幌市内のホテルで開かれ、台湾の駐日代表部に当たる台北駐日経済文化代表処の馮寄台(ひょうきたい)代表が「この2年間の台日関係と両岸関係」と題して講演、台日交流の促進に意欲を示した。
 馮氏は台日関係について、昨年6月に双方でワーキングホリデービザの発給が始まったことや、昨年9月に台湾国立政治大学内に日本研究センターが開設されたことなどを挙げ「今後、新たな対日関係を切り開く次世代の親日派を育成していく」と述べた。
 昨年12月に開設された同処札幌分処については「今年1月から4月に台湾から北海道を訪れた観光客は前年同期比26%増加し、北海道から台湾への観光客も57%増加した」と効果を強調した。
 米国や日本などとの自由貿易協定(FTA)については「中国との主権問題が障害となって締結できず、アジア地域の中で取り残される」と危機感を表明。主権問題を棚上げし、現在、中国と進めている経済協議を他国にも発展させたいとの意向を示した。

=2010/6/4北海道新聞=

■5月例会
5月10日 ノボテル札幌
講師:橋本大二郎氏 (前高知県知事)
演題:「地域自立型の国づくり」


 北海道政経懇話会の5月例会が10日、札幌市内のホテルで開かれた。前高知県知事の橋本大二郎氏が「地域自立型の国づくり」と題して講演、「財源や権限を地方に移し、地域の将来は地域の知恵と力、責任で決めていくべきだ」と訴えた。
 橋本氏は経済のグローバル化によってもたらされる食料、環境、エネルギー問題などに関し、国の役割を特化する必要性を強調。「政府は世界の国々と連携し、行きすぎた経済の流れに歯止めをかける戦略を打ち出していかなければならない」と述べた。
 その上で、地方が心がけるべきこととして「地域の特性を生かした取り組み」に言及。間伐材を活用した高知県馬路村産のかばんが、国内外で人気を呼んでいる例などを挙げ、「東京や国を通さなくても、世界や他の地域につながる循環が起きている」と述べた。
 一方、内閣支持率が低落している鳩山政権について「安全保障に限らず、首相自らかくあるべしと思うことを一つでも打ち出していけるかどうかに、今後の浮沈がかかっている」と指摘した。

=2010/5/11北海道新聞=